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能登地震
復旧加速、見通し示せ

避難環境の改善総力を/公明、政府に第2次提言

公明新聞 2024/01/24 1面

 公明党「令和6年能登半島地震災害対策本部」(本部長=大口善徳衆院議員)は23日、首相官邸で林芳正官房長官に対し、山口那津男代表が21日に被災地入りするなど現地調査を重ねて取りまとめた第2次提言を申し入れた。大口本部長は発災から3週間が経過してもなお断水・停電の復旧が進んでいないと指摘。今後の見通しを早急に示すなど「被災者に寄り添い、被災者の生活・なりわい再建や復旧に総力を挙げるべきだ」と訴えた。林官房長官は「提言を踏まえ、(政府が25日にも発表する)支援パッケージの参考にしていきたい」と応じた。

 提言では、いまだに1万人以上が1次避難していることから、災害関連死の防止に向け、ホテルなどに移る2次避難への移行を加速するよう求めた。
 1次避難先の環境の改善では、避難者全員に必要な物資が行き届く取り組みを要望。断水中の避難所で不足する被災者の下着について十分な量の配布を促したほか、トイレ環境の改善を訴えた。
 特に女性の視点を踏まえ、段ボールなどのパーティション活用を進めるとともに乳幼児がいる家族への配慮などを求めたほか、性暴力防止に向けた対応を要請した。
 上下水道については、国による権限代行や財政支援強化など、一日でも早い復旧へ総力を挙げることが必要だと強調した。液状化被害への対応も進めていくよう求めた。
 避難者への支援では、「罹災証明書」の交付手続きの抜本的な簡素化を求めたほか、避難先によって状況が異なることを踏まえた相談体制の整備を訴えた。
 住まいについては、甚大な被害を受けた地域を「地域指定」で全壊判定にするなどして、被災者生活再建支援金を迅速に支給するとともに、長期居住できる仮設住宅の早期整備を求めた。
 被災地での雇用支援として、雇用調整助成金に関する特例措置拡充の速やかな実施と、助成率の最大10割への引き上げを提唱した。
 また今後の被災地の復旧や被災者へのきめ細やかな被災者支援に欠かせないボランティアや民間支援団体の力と知見を生かすため、被災自治体の十分な受け入れ体制への支援を要望した。
 子どもたちへの学びの支援としては、1人1台のタブレット端末を最大限に活用し、子どもたちが安全・安心に学習できる環境づくりに全力で取り組むよう訴えた。
 このほか、被災家屋の解体・撤去費用や、中小企業・小規模事業者、伝統工芸産業、観光業、農林水産業など、なりわいの復活への支援を求めた。

■被災自治体の職員体制で全国の応援、増員が必要/党対策本部で対応協議

 提言に先立ち、同対策本部は23日午前、衆院第2議員会館で会議を開き、政府から被害状況や復旧の進捗などについて報告を受けるとともに、今後の対応を協議した。

 出席した山口那津男代表は冒頭、21日に被害が甚大な石川県輪島市などに調査に入ったことを報告。被災地で断水が続いていることについて、多くの避難者が先行きが見えない状況にあると強調し、早急な解消を求めた。その上で山口代表は、刻々と変わる被災地のニーズや避難者の不安、復旧・復興に向けた課題に対し「どうすればいいかを多角的に検討し、推進していく必要がある」と述べ、政府・与党で対応に全力を挙げる考えを示した。

 会議では、中川宏昌本部長代理(衆院議員、党北陸信越方面本部長)が、避難所の運営や罹災証明書の交付といった災害対応に当たる自治体職員の体制について「多くの被災自治体は小規模で職員にも限度があり、職員のほとんどが不眠不休で対応している」と指摘。人的支援として、全国の自治体から派遣されている応援職員をさらに増員する中で、被災自治体の職員が交代で業務に当たれるような取り組みが必要だと訴えた。このほか、現地調査に入った議員からは、避難所のトイレ環境の改善を求める声なども上がった。

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