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能登地震50年以上続く和風レストラン、事業再建に若者が立つ 来年5月予定、店全壊から営業再開へ/

石川・志賀町の松本さん一家

 創業50年を超える石川県志賀町の「和風大衆レストランまつ本」は、能登半島地震による震度7の激しい揺れで全壊した。傾いた自宅兼店舗を前に、店を営む松本光一さん(64)、久視子さん(59)夫妻は、立ち尽くすしかなかった。「もう一度やってみよう」。事業再建のきっかけをつくったのは、娘婿の松本稔さん(36)の一言だった。=能登半島地震取材班

 店は家族経営で切り盛りし、地元民に愛され続けてきた。元日に家族で店の後継ぎについて話し合おうとした矢先、地震が起きた。自宅兼店舗の地盤がひび割れ、建物は屋根が崩れ、傾いた。

 「俺には勢いと気持ちしかないけど、何かあったら責任は取るから、もう一度やってみよう」。肩を落とす義父母を励ますように、稔さんは言葉をかけた。学生時代に調理師の免許を取得した稔さん。とはいえ、現在は繊維機械の製造会社に勤務し、飲食店で働いた経験はない。それでも稔さんの決心は揺るがず、松本家は事業再建へ思いを一つにした。

 現実は厳しかった。被災後の混乱が長く続き、公費解体は一向に進まない。みんな震災対応への憤りと不安が募るばかりだった。

■「公明議員 すごい支えに」

 松本さん一家に寄り添い続けたのが公明議員だ。地震翌日の1月2日、「令和6年能登半島地震災害対策本部」の中川宏昌衆院議員が谷内律夫県議らと共に志賀町へ急行。3月には三浦信祐青年局長(参院議員)と党県本部青年局次長の坂秀明・金沢市議が同町を訪れ、被災した事業者の施設・設備の復旧を後押しする「なりわい補助金」など支援策を稔さんへ丁寧に説明した。

 坂市議は小松実県議とも連携し、なりわい補助金に関する県の相談窓口につなげた。「焦る気持ちもあるけど、慌てずに一歩ずつ進めましょう」。坂市議をはじめ、公明議員の励ましを受けながら、稔さんを中心に松本さん一家は、課題を一つ一つ乗り越え、再建への歩みを進めてきた。

 その結果、なりわい補助金を活用し、「和風大衆レストランまつ本」は、新しく生まれ変わることに。店を新築する候補地として自宅前の土地を購入し、来年5月の営業再開をめざしている。

 また、店の横に出店していた「たこ焼き屋」の再開準備を進めており、9月上旬に道の駅「とぎ海街道」の仮設店舗でオープンする予定。大規模地震からの再建は全て初めての経験であり、稔さんは「そういった意味で公明議員の存在がすごい支えになった」と振り返る。

 光一さん、久視子さん夫妻は「稔君がすごく頼もしい。彼なら今の時代に合わせた新しい店を作ってくれるはず」と目を細める。稔さんは現在、仕事終わりの夜間や休日の合間を見つけては、事業再建の準備と料理の修行に励む。「毎日が勝負の中で目の前のことをやるしかない。地域の希望となって必ず復興した姿を示していく」。自らに言い聞かせた。

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