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早期復興へ心一つに 石川県内に6班、公明が調査活動

2024/04/29 公明新聞1面

 一日も早い復興に向け、足かせになっている課題を直接探るため、公明党の「令和6年能登半島地震災害対策本部」(本部長=大口善徳衆院議員)は28日、石川県本部(代表=谷内律夫県議)の議員とともに同県内で6チームに分かれて調査活動を行った。


■護岸損傷

 赤羽一嘉総合本部長代理(幹事長代行)は、七尾市で和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」の被災状況について同旅館の小田禎彦代表と懇談した。中川宏昌衆院議員、竹内真二参院議員と谷内県代表、江曽ゆかり市議、林直史・加賀市議が同行した。

 小田代表らは、温泉街一円の護岸の損傷が営業再開の妨げともなっているとして、早期修復を要望。従業員の雇用維持に向けた雇用調整助成金の上限額の引き上げなども求めた。赤羽氏は「最大限の支援をしていく」と述べた。

 一行は、和倉温泉創造的復興ビジョン策定会議の代表らと意見交換。能登町内の被害状況も調査した。

■崖崩れ

 大口本部長と塩田博昭事務局長(参院議員)は輪島市で避難生活を送る柿貞雄さん・美幸さん夫妻を見舞い、発災から手付かずのままの崖崩れの現場を調査。稲端明浩・金沢市議が同行した。


 大口氏らは柿夫妻の案内で、今にも崩れそうな崖を確認。目の前には民家が並び、美幸さんは「少しずつ、せり出してきている。不安で仕方ない」と訴えた。大口氏は「早急な対策を行政に求めていく」と語った。

 一行は、避難所運営に尽力する高木雅啓さんや、坂口茂・輪島市長と相次ぎ意見交換。社会福祉法人「佛子園」の雄谷良成理事長らが市内で開催した復興イベントにも参加した。

■建物修復

 竹谷とし子参院議員は、中能登町で市民団体「建物修復支援ネットワーク」などが開いた住民相談会を視察し、被災住宅の復旧に向けた課題を探った。笹川広美町議が同行した。

 2004年の中越地震などで住宅の修復を支援してきた同団体の長谷川順一代表は「全壊判定でも、直せるケースは少なくない」と強調。「住み慣れた建物で暮らし続ける選択があることを普及させたい」と語った。

 竹谷氏は「専門技術を生かし、修復可能な家を残せるよう後押ししたい」と力を込めた。

■農業被害

 上田勇参院議員、庄子賢一衆院議員は珠洲市で被災農家の窮状を聴き取った。道下政博・津幡町議が同行した。

 「みなくち農園」を営む皆口英樹氏は、スイカ畑が広範囲にわたって陥没したほか、ハウス栽培のイチゴが設備の損傷で収穫前に枯れたことを説明。「畑への給水管が使えず、トラックに水を積んで運んでいる。壊れた設備や陥没した畑を整備するための費用がのしかかっている」と訴えた。

 上田氏らは「元通りの営農ができるよう、サポートに全力を尽くしたい」と語った。


■みなし仮設

 新妻秀規参院議員は、佐藤英道、福重隆浩の両衆院議員とともに、かほく市で油野和一郎市長から民間賃貸住宅を活用した「みなし仮設住宅」の入居期間延長に関する要望を受けた。池田義治・かほく市議、片山瞬次郎・小松市議、土屋克之・内灘町議が同席した。

 油野市長は、みなし仮設の入居期間について、国の応急修理制度と併用する場合は半年間である一方、事業者不足から応急修理が思うように進まない現状を強調し、「入居期間を延長できる仕組みが必要だ」と求めた。

 新妻氏は「制度の改善を国に働き掛けていく」と述べた。

■心のケア

 三浦信祐参院議員は輪島市にある災害派遣精神医療チーム(DPAT)の拠点を訪れ、被災者の心のケアに関する課題を聴いた。小松実県幹事長(県議)、源野和清・金沢市議が同行した。

 応対した金沢市内の精神科医・得永敬信さんは「将来展望が見えず不安を抱える人が増えている」と語り、相談と診療体制の拡充を求めた。三浦氏は「被災者に寄り添う体制の強化を訴えていく」と強調した。

 一行は、金沢市内で石川DPATの内藤暢茂統括者、久我弘典・認知行動療法センター長、金沢医科大学の川﨑康弘教授らとも意見交換した。

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