能登地
暮らしの安心取り戻す――。公明党「令和6年能登半島地震災害対策本部」総合本部長の石井啓一幹事長は9日、石川県の被災現場を訪れ、生活再建に向けた課題を調査するとともに、避難所に身を寄せる被災者を見舞った。大口善徳本部長(衆院議員)、塩田博昭同事務局長(参院議員)らが同行。中川宏昌本部長代理(衆院議員)は同県能登町を訪れ、大森凡世町長から現場の要望を聴取した。
■避難者「自宅跡地に仮設建設して」
石井幹事長らは、地震による土砂崩れで複数の住宅が倒壊した穴水町由比ケ丘地区を視察。その後、輪島市に移動し、今も38人の被災者が身を寄せる1次避難所の大屋公民館で、長引く避難生活を見舞った。
ある女性は、個人での住宅再建は困難だと訴え、「自宅を解体した上で、そこに仮設住宅を建ててほしい」と柔軟な対応を要望。別の女性は、仮設住宅に入るには半壊以上という被害要件があり、「準半壊のために住む場所がなくて困っている人が多い。自宅を修理するにも業者が手配できず、先行きが見えない」と今後の不安を吐露した。「輪島塗」の漆器や箸を製造、販売する男性は「工場は全壊したが、なんとか仕事を再開したい。再建支援の補助金の使い勝手を良くし、当面の資金繰り支援を」と切望した。
この後一行は、大規模な火災に見舞われた「輪島朝市通り」を訪れた後、市役所で坂口茂市長と懇談。坂口市長は、被災した自治体所有施設の解体を公費対象とするよう要請した。
志賀町に移動した一行は、旧JA志賀富来支店の敷地に設置されたトレーラーハウス型の仮設住宅を視察後、稲岡健太郎町長から復旧への課題を聴取。液状化被害に見舞われた羽咋市では、岸博一市長と復旧に向けた課題で意見交換した。
調査後、石井幹事長は「生活や、なりわい再建の苦悩に寄り添い、今回の災害特性に応じた対応を国に働き掛けたい」と語った。一連の調査には、谷内律夫党県本部代表(県議)、山本ひかる金沢市議、林直史・加賀市議が同行した。
■県本部議員とも懇談
石井幹事長らは同日夜、党県本部が金沢市内で開催した全議員懇談会に出席した。
石井幹事長は、発災直後から休みなく被災者支援に奮闘してきた各議員を心からねぎらった上で「地域によってさまざま課題があることを改めて実感した。現場が大変な時こそ、党のネットワークの力を発揮し、被災地のために全力を尽くそう」と語った。
■復旧・再建、見通し立たず/能登町で中川(宏)氏ら、液状化被害など視察
中川氏は能登町で、液状化や土砂崩れなどの現場を視察し、住民から被災状況を聴いた。党県本部の小松実幹事長(県議)と田端雄市町議、坂秀明・金沢市議が同行した。
同町藤波の住宅街では、地震による液状化で道路や住宅に大きな被害が発生し、道路復旧や生活再建の見通しが立たない現状を住民から聴いた。一方、同町柿生で兼業農家を営む妹石武吉さんは、近くの山が崩れて畑や用水路が土砂で埋まった状態が続き、「自力では復旧ができない」と窮状を訴えた。
町役場では大森町長と懇談。視察を終えた中川氏は「国と地方で一層連携を密に取って対策を進めていく」と語った。