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公明ニュースプラス

災害法制に「福祉の視点」 助かった命 失わせない/

改正法案、被災者の健康・生活守る

2025/03/06 公明新聞2面

2025年3月6日

■(公明)現場の声を受け止め、対策を粘り強く訴え

 せっかく助かった命が失われる事態があってはならない――。2月14日に閣議決定された災害対策基本法などの改正案は、公明党の主張を反映して災害時の「福祉サービスの提供」が明記されるなど、福祉的支援の充実をめざす内容となっている。これまでの災害で浮き彫りとなった課題を踏まえ、公明党は被災者に寄り添いながら一貫して法改正を主張。今国会での実現に総力を挙げる。

■在宅避難者をケア、平時から備え強化

 「精神障がいにより避難所での共同生活はストレスになる」「壊れていても長年過ごした自宅の方が気が休まる」――。昨年元日に発生した能登半島地震では、さまざまな理由で在宅や車中泊で避難生活を送る人が相次いだ。

 一方、現状では、介護福祉士や社会福祉士などで構成される災害派遣福祉チーム(DWAT)は、避難所を中心に高齢者らの体調確認や相談支援に当たっている。今回の改正案では、この活動範囲を広げて在宅や車中泊の避難者らにも必要なケアが届けられるようになる。福祉関係者との連携強化も盛り込まれた。

 法的な裏付けにより、災害時の福祉活動に対する公的な支援や財源の拡充が期待されるほか、平時から関係団体が準備を進めやすくなる。いざというときに福祉のプロが駆け付けてくれることは、被災自治体にとって心強い。

■高齢化率が年々上昇、関連死の懸念増大

 高齢化率が年々上昇し、福祉の需要は高まり続けている。発災前まで元気だったとしても、特に高齢者らは被災後、十分に体を動かせない生活が長期化し、健康状態が悪化すれば、生活不活発病や災害関連死が懸念される。顕著となったのが、2011年の東日本大震災だ。

 公明党は災害のたびに国会議員と地方議員が現場に飛び込み、被災地で聴いた声を基に、要配慮者の個別避難計画の作成や、被災者の多様な課題に伴走支援する「災害ケースマネジメント」の実施などを一つ一つ推進してきた。

 国会でも法改正を訴え続け、24年3月の参院予算委員会では山本香苗参院議員(当時)が、災害救助法の救助の種類に介護などの福祉が含まれていないと指摘し「災害から命を守るだけではなく、災害発生後の災害関連死を防ぐ、予防することが必要だ。福祉を明記するよう法改正を」と強調。岸田文雄首相(同)が国会で初めて改正に言及した。

 また、同月には党災害法制見直し検討委員会も設置し、被災地支援に携わる福祉関係者や団体、識者などとも協議を重ねてきた。

 災害法制に「福祉」の視点を取り入れることについて、党復興・防災部会長の中川宏昌衆院議員は「被災者に徹して寄り添い、現場の声を真剣に受け止めてきた公明党の強い決意だ」と強調。地方議員とも連携して、被災者支援のさらなる強化へ情熱を燃やす。