能登地震
政府は23日午前の閣議で、能登半島地震の被災地を支援するため、2024年度予算の予備費から1389億円の追加支出を決定した。仮設住宅の建設や公共インフラの復旧費用などの財源に充てる。能登地震に対応した予備費の支出決定は4回目で、合計は4000億円を超えた。公明党が、現地調査などを踏まえて求めていた施策が大きく反映された。
今回は応急仮設住宅の建設などに683億円、公共施設や土木施設の復旧に647億円、農林漁業者支援に44億円を充てる。また、地域コミュニティーの回復に向け、高齢者や障がい者らを対象に、仮設住宅の建設に合わせ、敷地内などで食事や入浴、診療室などの介護や障害福祉サービスを提供するサポート拠点を設置するなどの費用として、16億円を盛り込んだ。在宅の要介護高齢者への個別訪問で各種支援につなぐ事業や、仮設住宅での被災者見守り・相談支援等事業も実施する。
岸田文雄首相は同日、首相官邸で開かれた「能登半島地震復旧・復興支援本部」の会合で、被災地の中長期的支援のため復興基金を創設する考えを示した。被災自治体の議会日程を考慮し、6月をめどに設置できるよう関係閣僚に指示した。
また、本格的な災害復旧を進めるため、石川県などと連携して公費解体を加速するよう関係閣僚に指示。現場で進捗管理などを行う態勢を現在の約100班から600班以上に増強する。一部区間で一方通行などが続く能越自動車道と、のと里山海道については、7月をめどに対面交通確保をめざすとした。
■効果的、迅速に執行を/党対策本部
一方、23日午後には、公明党「令和6年能登半島地震災害対策本部」(本部長=大口善徳衆院議員)が衆院第2議員会館で会議を開き、予備費の支出決定による支援強化策の内容を関係府省庁から聴取した。
赤羽一嘉総合本部長代理(幹事長代行)は、今回の決定を踏まえ「効果的かつ迅速に着手、執行してもらいたい」と要請。今後の中長期的な復旧・復興施策についても財政的に支え、「どこまでも被災地に寄り添った対応を」と強調した。
6月をめどに設置する復興基金については、「被災者は生活再建の展望が見えなくて困っている」とし、現場の目線で使途の項目を事前に公表する必要性を訴えた。
このほか、出席議員は上水道の断水の早期解消が欠かせないとして、工事事業者の確保を急ぐよう求めた。